2012年10月 のアーカイブ

日本特殊教育学会 第50回大会報告

2012年10月21日 日曜日

 2012年9月28日から30日に、つくば市で、日本特殊教育学会第50回大会が開催され、ICF-CY Japan Networkのメンバーが関わった自主シンポジウム、ポスター発表が行われました。それぞれの様子を、ご報告致します。

<ポスター発表 9月29日>

「キャリア発達を支援するツールとしてのICFの活用」
逵 直美(三重大学教育学部附属特別支援学校)
 
 「本人が、どんな人生を歩んでいくか・・・その方向性を見いだしたり、自分の歩みを振り返ったりするためにICFを活用するという試みを発表しました。人・物・事との出会いが、人生を豊かにしていくのだと自分自身の経験からも思うところですが、そのことを本人がICFの活用をとおして振り返ることができると「人生の羅針盤」になり得るのではなかと期待しているところです。これからも子供たちの豊かな未来のために、皆さんと実践をとおして意見交換をしていきたいと思います。」(発表者 逵より)

<ポスター発表 9月30日>
「特別支援教育におけるICF/ICF-CY活用を支援するツールの検討 -特別支援教育においてICF 又はICF-CY の活用を検討している学校等のための活用手順(試案)」を中心に-

徳永亜希雄(国立特別支援教育総合研究所) 他4名

 「台風が近づく3日目午前のポスター発表だったため、多くの人が早めに切り上げていく中でしたが、たくさんの方がポスターを見に来てくださいました。本報告は、「ICFの考え方」を具体的な実践につないでいくためのツールに関するものでしたが、やはり現場の実際的活用においてはニーズが高いことが質疑応答の中から分かりました。今後も関連研究を続け、実践への貢献をしたいと思います。」(発表者 徳永より)

<自主シンポジウム 9月30日>

「本人参画によるキャリア発達支援を目指したICFの活用」

・企画者:齊藤 博之(山形県立上山高等養護学校)、徳永亜希雄(国立特別支援教育総合研究所)

・司会者:徳永亜希雄(国立特別支援教育総合研究所)

・話題提供者:齊藤 博之(山形県立上山高等養護学校)、川口ときわ(東京都立墨東特別支援学校/前静岡県立中央特別支援学校)、逵 直美(三重大学教育学部附属特別支援学校)
・指定討論者:菊地 一文(国立特別支援教育総合研究所)、大関毅(茨城県立境特別支援学校)

 「さらに台風が迫り不安が募る中にもかかわらず、自主シンポジウムにも、たくさんの方が参加してくださいました。感謝申し上げます。今回のシンポジウムでは、「本人参画によるキャリア発達支援を目指したICFの活用」をテーマに、人が社会の中で如何に自分の人生をつくっていくか、また、そのことに積極的に向かっていくためにどんなことができるのかを確かめることができました。

 シンポジウムを終え、参加してくださった方から、「感動しました」「元気が出ました」との声を聞かせていただき、本当に嬉しく思いました。報告させていただいた実践の一つ一つにこもっている子どもたちの想いや努力の過程が会場にいる方々に届いたのだと思います。小さくても確かな一歩を、これからも歩んでいこうと思います。」(企画者 齊藤より)

 各実践の報告を、簡単に紹介します。
 
 齊藤さんからは、「マイノオト」を活用した事例について、報告がありました。生徒が主体的に「マイノオト」に書き込む作業をとおして、主体的な課題解決へのモティベーションが維持され、自己評価の高まりにつながったことや、少し先の将来像を具体的にイメージできるようになったことが、成果として挙げられました。
 
  川口さんからは、寄宿舎における本人の活用について、報告がありました。自分が感じている困り感や原因が明確ではなく、悶々としていた生徒が、ICF関連図作りの作業をとおして、具体的な課題が設定でき、精神的なゆとりが持てるようになったことが、成果として挙げられました。
 
 逵さんからは、キャリア発達を支援するツールとしての活用について、報告がありました。本人の願いを大切にするために、PATHを活用したICF関連図の作成をとおして、将来の目標が自分のやりたいことに応じて、具体的に変化してきたことなどが、成果として挙げられました。
 
 今回の自主シンポジウムとポスター発表をとおして、生きる主体である子供たちが、どうやって社会の中で自分の役割を果たしながら、自分らしい生き方を実現していくのか、それを支援者がどのように支えていくのか、そして、ICFの考え方をどのように現場での実践に結びつけていくのか、ということについて、たくさんの方と意見や想いを共有する貴重な機会を得ることができました。

  今後も、ICFの理念を基にした実践、更に、本人が主体的に使っていく実践が広がっていくことを願っています。

 

 自主シンポジウムやポスター発表に参加してくださった皆様、ありがとうございました!

(文責 ICF-CY Japan Network 事務局 大久保直子)