2015年2月 のアーカイブ

第1回 ICF及びICF-CY活用研究協議会 報告

2015年2月22日 日曜日

第1回 ICF及びICF-CY活用研究協議会 報告
 昨年12月20日土曜日,東京都で開催しました協議会に約20名の方が参加し,報告や協議が行われました.以下,その報告をいたします。

1 目的 ICF及びICF-CYそのもの及びその活用等について、日頃の取り組みや関連情報を持ち寄って参加者間で共有すると共に、今後の取り組みなどについて協議を行うこと

2 日時  12月20日 土曜日 10:00~16:00

3 報告内容
  基調報告① 「ICF及びICF-CYの概要及び特別支援教育における活用」
                国立特別支援教育総合研究所 徳永亜希雄
  ICF及びICF-CYの概要、及び特別支援教育における活用の意義及び目的の説明後、特別支援学校におけるICF及びICF-CY活用状況に関する調査研究の他,特別支援教育実践へのICF及びICF-CY活用に関する様々な研究の成果を報告していただいた。
総合考察として、ICF及びICF-CYが子どもたちを多面的・総合的に捉え,関係者間での連携のツールとなりうることが明らかになったこと,そのための具体的なツール開発の実証結果等が報告され、今後さらに実証的検討が必要であるなどの課題なども報告された。
基調報告②「障害者政策及びICFを巡るトピック」
                   日本社会事業大学 佐藤久夫
「ICF・合理的配慮について」として,A リハビリテーション研究誌の難病特集でのICF,
B 国連・障害者権利委員会の一般意見第2号「アクセシビリテイ」(合理的配慮とアクセシビリテイの関係),C WHO ICF活用マニュアルよりの3つのポイントから報告をしていただいた。
A…上出杏里ら「難病と社会—-病気と共に生きられる社会へ—-」リハビリテーション研究、No.161, 2014.12, pp3-8 及び林秀明ら「(神経難病)筋萎縮性側索硬化症(ALS)のリハビリテーションを『新しいALS観』から考える」、リハビリテーション研究、No.161, 2014.12, pp26-32の図を紹介していただいた。
B…障害者権利委員会一般的意見第2号(2014年) 「第9条:アクセシビリティ」 抄
(日本語訳はDINFに紹介されている)Ⅱ.規範的内容について紹介していただいた。
C…WHO ICFユーザーズガイド案を英文で紹介していただいた。
 演題①海外トピック「モバイル版ICF活用に関する研究動向」
                     東京成徳短期大学 田中浩二
                     帝京大学 堺裕
 スペインで行われたモバイル版ICF活用に関する研究に関する会議と研究動向について報告していただいた。なぜモバイル版が研究されるようになったのか まだ始まったばかりの研究に参画された経緯なども報告していただいた。
 演題②東京都立光明特別支援学校での取り組み①学部での取り組み
              光明特別支援学校 逵直美・原川健一郎
 同校の研究概要を報告すると共に、抽出した生徒の将来像をPATHで見いだし、それをもとにICF-CYの概念図をもとに作成した図を用いた支援と指導の在り方を考えた報告とチェックリストで課題を明確にする試みを報告した。
 演題③東京都立光明特別支援学校での取り組み①学部での取り組み
              光明特別支援学校 長谷川宏敬・結城千春・中村ときわ
 寄宿舎における2年間のICF及びICF-CYを活用した研究報告について、ICF関連図を作成して指導案や実態表に活用し、実態に応じた指導計画や関連図を基にしたケース検討などが報告された。
 演題④福岡県立筑後特別支援学校での取り組み
              帝京大学 堺裕
 ICFモデルを新しい思考の枠組みとして捉え、希望・夢→必要なこと→必要なことについての実態→課題→どの授業や単元で取り上げるかなどラフスケッチとしての活用が報告された。事例をICFで整理するための手順やシートやワークショップの進め方などの報告をしていいただいた。
 演題⑤「教育における合理的配慮とICF」
              栃木県立岡本特別支援学校おおるり分教室 西村修一
 合理的配慮の定義と決定のプロセスをテーマにお話していただいた。障害者権利条約や障害者差別解消法などからひもときながら合理的配慮とは一体何か、教育分野で考えるべき事は何か等をわかりやすく報告していただいた。合理的配慮と社会モデルの関連に触れながら、ICF-CYは合理的配慮や特別な支援の必要性を見いだすアセスメントツールとなると報告していただいた
 演題⑥「台湾におけるICFの活用」
                国立特別支援教育総合研究所 徳永亜希雄
               帝京大学 堺裕
 両氏が参加した台湾でのICF関連のワークショップの概要や,組織的・精力的に取り組まれている同国ICF研究の動向,日本で発行したICF活用に関する本の台湾での翻訳発行状況等について報告していただいた.

 今後もこのような協議会を企画しながら、ICF及びICF-CYの活用をさらに追求していきたいと感じる協議会になりました。また追って情報をお知らせしたいと思います。
 よろしくお願いします。
                       (ICF-CY Japan Network 逵 直美)